真念のしるべ石 | 阿波市の石造物をめぐる(2)

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真念のしるべ石について詳しく教えてください!

松本

お任せください!

四国88ヶ所霊場・第10番札所切幡寺の近くにたたずむ真念のしるべ石。その名の通り、「真念」が元禄年間に造立したものです。具体的にどのようなしるべ石なのか、そもそも真念とはどういう人物なのか?この記事で詳しくご紹介してまいります。

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真念のしるべ石 | 阿波市の石造物をめぐる(2)

場所(徳島県阿波市市場町切幡字観音)

この場所って、切幡寺の近くですか?

松本

そうですそうです!切幡寺の門前町からすぐの場所にあります。それでは詳しく見ていきましょう!

真念のしるべ石

【詳細】
写真順に上から
・南側:十一者ん(者んは「ばん」のこと。11番札所藤井寺のこと。)
・東側:為父母六親 大坂寺嶋 **八右衛門 同 権 十良 立
・北側:大くわんみち 願主真念 (大くわんみちは撫養街道か)
・西側:*(梵字) 南無大師遍照金剛 (梵字は大日如来)
・角柱(花崗岩)
・高さ68cm 幅19cm 厚さ18cm

【キーワード】
造立(ぞうりゅう):石をたてること、つくること。
梵字(ぼんじ): 「昔の特別な文字」や「神様のマーク」
元禄(げんろく): 江戸時代。

簡単にいうと・・
この石は、今から300年以上も前の江戸時代に真念さんによって立てられた「道路標識(どうろひょうしき)」です。 スマホの無い時代にはとても重要な役割を果たしていました。

松本

さて、「市場町の文化財 道しるべと町石」によると、この真念のしるべ石は元禄年間に造立されたそうです。具体的にいうと江戸時代で、1688年から1704年となります。ちなみに真念は1692年に亡くなっていますので、1688年から1692年の間にこのしるべ石は作られたのでしょう。

梵字(ぼんじ)ってなんですか?

松本

サンスクリット語を記すために使われた文字ですね。真言宗では梵字で仏様を表現しますが、この真念のしるべ石に刻まれている梵字は真言宗の本尊でもある「大日如来」を表しています。

なるほど。

松本

ちなみに、大坂寺嶋とありますね。これは真念が住んでいた場所でしょう。そんな真念ですが、四国遍路を20回も行い、都度しるべ石を造立したのだとか。

お遍路20回はすごい・・・。ん?そういえば、とんでもない数のお遍路をした方がいませんでしたっけ?

松本

中務茂兵衛ですね、四国巡礼279回達成という記録を残しています。こちらもあわせてチェックしてみてください。

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そうですそうです!しかし、真念もすごいなあ。といいますか編集長!外国からお越しのお遍路さんが!

松本

本当だ!こんにちは!お気をつけていってらっしゃいませ〜

ちょうど撮影していた真念のしるべ石を見てくれてましたね。少し嬉しい。

松本

ですね!さて、結びになりますが、お遍路は歩くだけで大変なのに、次の方のことを考えてこのようにしるべ石(道しるべ)を造立する人を本当に尊敬します。現代ではGoogleマップなどを頼りにお遍路をする方がほとんどかと思いますが、阿波市内に限らず四国にはたくさんのしるべ石がたたずんでいます。こうした先人のあたたかい思いが宿る石造物を眺めてみてはいかがでしょうか。

(写真・文章:松本剛)

参考文献:
市場町の文化財 道しるべと町石
市場町史

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