みなさんは、「方言看板」をご存知でしょうか。
方言看板とは、その名の通り「方言で書かれた看板」のことで全国各地に存在しています。もちろん、この徳島県阿波市にも。ちなみに私自身は小さい頃から、この方言看板にお世話になっているので、それが珍しいと感じた事は一度もありません。
しかし、ある日の事。首都圏からやってきた方と一緒に阿波市内を歩いたのですが、その方が方言看板を指差して、「あれって、どういう意味ですか?」と興味津々のご様子。「ああ、あれはですね…」とすぐさま、その意味を解説した私。これでこの話は終わるかに見えましたが、それ以降、なぜか私自身も
「あれ?そもそも阿波市内ってどんな方言看板があるのかな?」
と思うように。
じゃあ、せっかくなので方言看板に遭遇したら記録に残していこう。そんな経緯で生まれたのが今回の記事です。ややニッチな題材ではありますが、楽しんでくださる方もいらっしゃると信じて気長に更新してまいります。
目次
阿波市市場町の方言看板
「きけんちいき およがれんあそばれん」(警告看板)
いらすとやのイラストが使用された方言看板は、水難事故を防ぐための「警告看板」です。
ちなみに「およがれんあそばれん」とは「およいじゃダメ、あそんじゃダメ」の意味。
例:阿波市市場町大影平間
過去の看板は、「あぶない、およがれん」
例:阿波市市場町日開谷野田原
平地橋の近くに設置された方言看板。
「あぶない あそばれん」(警告看板)
手書きで書かれた方言看板。あそばれんは「あそんじゃダメ」の意味。
例:阿波町西長峰
あとがき
小さい頃、特に小学生の時によく遭遇した方言看板は理解しやすく、子供ながらに「あ、気をつけな」と注意することができました。そして何より、地域の大人に守られているんだなあと実感したことを覚えています。道端で静かにたたずみながら、道ゆく人の事を思う阿波市内の方言看板。決して目立つ物ではありませんが、私たちの生活においては無くてはならないものであることは言うまでもありません。
ことばの地理学 方言はなぜそこにあるのか [ 大西 拓一郎 ]