大影地区を歩く | 編集部日誌 (1)

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「この景色がね、昔からずっと好きなんですよ」

 そう話してくださったのは、阿波市市場町の大影地区を歩いているときに偶然お会いした女性。彼女の伸ばした手の先を見ると、夕暮れ前のうすい橙色の陽の光を受けてゆれる稲の姿が飛び込んできました。木々の葉擦れのさわさわという気持ちのいい音、すぐそばの山から下りてくるひんやりとした空気。思わず目をつむり、普段あまりすることのない深呼吸をする私がいました。「この景色が好き」と言う住人の方の手によって管理された里山の良さをうまくまとめることができませんが、言えることがひとつあります。それは、その場所が「心地よかった」ということ。心地よい場所に人は惹かれる。そしていつの間にか繰り返しその場所を訪れることになる。事実この場所は、私のお気に入りの場所の一つとなっていて何度も訪れています。

ひまわりが揺れる、7月下旬に撮影。
再度訪れた8月下旬に撮影。稲穂がぐんぐん実っていました。
大影地区の日の入り。光と影の境界線が一気に動きます。
太陽が姿を消すと、辺り一面は青みがかった影で覆われます。「大影」という地名を肌で感じとることができる瞬間です。

いわゆる観光地ではないこの場所ですが、人が向かう先は観光地だけではないことも確か。今回の散策で、「心地よさ」というキーワードが浮かんだりと、このまちに関わってくださる方を増やすためのヒントが少しだけ、見えたような気がいたしました。

 さて、このウェブマガジン「あわしるべ」。開設してから一か月が経とうとしております。最近、関わらせていただいております複数のまちおこし関連の団体の方々から「ウェブサイト、みたよ」などとお声がけ頂けるようになり、嬉しい限りです。しばらくはまだコンテンツの少ない状態が続くかと思われますが、徐々に中身を充実させてまいりますので今後ともよろしくお願いいたします。

 まだまだ大変な時期が続きますが、みなさまどうぞご自愛くださいませ。

(松本 剛)

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